こうしてインド的1日は過ぎてゆく
毎年同じ所に来るから、年々親しくなって行く人たち。
街を歩くと『ハロー!アサコ!』と声がかかる。
一人一人としゃべっていたら、1時間で300メートルも進まないから、
だいたいは適当に流して行くのだけど、
中にはどうしても座り込んで一杯のチャイを付き合わないといけない相手もいる者だ。
このクリシュナアンティークショップもその一つ。
とっても素敵なアンティークコレクションと、
クリシュナの作る素敵なジュエリーに魅かれて、
よく時間を過ごしたものだけど、
今回会うといつになく深刻な顔。
『実はこの店買ったんだけど、オーナーがまだ払っていない半額全部、
今月中に払えって言うんだ。
7ラック(700,000ルピー)、今の俺にどうする事も出来ない。
この店の保証書さえ渡してくれたら、銀行から借りれるのに・・・』
『アサコ。この店にある物全部まとめて買ってくれないか?』
『?』
うーん・・・1万、2万ルピーならば何とかなりそうだけど、
700,000ルピー(約100万円)となると論外。
それから早口で、オーナーの悪口から始まって、インド政府の悪政、世界経済の不条理などなどなど・・・
30分近く聞かされる。
私はただ黙って聞いているだけ。
うんうん。わかるよ、クリシュナ。
いつだって、このマネーワールドに生きていたら、お金のない者は苦しい思いをする。
彼の感情がこちらにも入って来て、私も思わず涙ぐみそうになるけれど、
どうする事も出来ない。
こっちもだいぶ疲れてしまって、
『じゃあね、クリシュナ、頑張ってね。私次の予定があるから行くわ。』
とその場を離れる。
さて、次に引き止められたのは、このカシミール人のビラール。
この人なんて、初めてインドに来た頃からの付き合いだから、もう20年近くになる。



- 2016.10.12 Wednesday
- インドにて
- 15:59
- comments(0)
- trackbacks(0)
- -
- by SilverMoon